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http://www.manyo.co.jp/mm21/
みなとみらい地区の中心部にある温泉施設である。現在、様々な場所にある都市型温泉施設のハシリとも言える存在で、現在も施設数を増やしているチェーン展開施設だ。スーパー銭湯のような多彩な温浴施設と、夜を明かすことも出来るリラクゼーションチェア、そこに温泉を持ち込むという発想は、当時としては斬新だったに違いない。
今でこそ、多くの施設が追従している訳だが、私は10年近く前に小田原で万葉倶楽部の施設を見つけた時には、「なんで箱根の近くなのに、こんな変な施設があるのだろう…」と思ったのだ。電車ですぐのところに箱根湯本があって、日帰り温泉もあるのに、こんな高い値段で誰が来るのだろうか…と思っていたのだが、こーゆー施設はいわゆるサウナやカプセルホテルの延長線上にあり、さらにファミリー層の簡易なレジャーとして需要があったんだよね。今になって考えてみると。
さて、この万葉倶楽部という施設は、大江戸温泉物語などの最近の温泉施設と決定的に違うところがある。それは自家源泉を有している訳ではない…ということだ。無理矢理にでも、冷泉でも、とにもかくにも地中深く掘り進めて湧出させている訳ではなく、熱海や湯河原の温泉を毎日輸送することで温泉施設にしているのだ。自家源泉を持っていようと、多くの温泉施設の多くの浴槽(一つだけ掛け流しってのは、最近の流行だよね)は循環させている訳で、それでどうという訳ではないかもしれないが、やはり少々有り難みに欠ける印象を受けてしまうかもしれない。それが、万葉倶楽部の弱点ではある。
ただし、このみなとみらい…という絶好のロケーションが、それを補って余りあるようで、わりといつも混雑しているらしい。前述のとおり、ビジネスマンの簡易宿泊施設的にも利用されているだろうし、観光客のリラクゼーションにも利用されているようだ。…とは言え、その分施設も巨大なため、平日に行けば、かなりユッタリと出来る…という点は、多くの温泉施設と同様だろう。
さて、実際に行ってみた感想だけど、まずは受付。受付から、施設の巨大さを実感することが出来るだろう。とりあえず、ロッカーキーを受け取る。大型施設には多いタイプだが、このロッカーキー室内着は、浴衣と甚平から選ぶことが出来て、特に女性は浴衣にバリエーションがある。可愛らしい浴衣を着たカップルなどが、館内を歩いていることも多く、それだけで館内が華やかに感じるのは良いかも知れない(^_^;)。
肝心の浴室だが、サウナの充実度が高くて「あー、なんかビジネスマン用なんだなぁ」という感じ。ただその分、他の温浴設備には面白みがかけるなぁ…というのも実感。もちろんベイブリッジを眺めることが出来る露天風呂なんかは、景観としては良かったんだけど。湯運び温泉なんだから、アトラクションバス的な設備の充実を望みたいところだよね。
あと、シャンプー、リンスね。これもビジネスマンへの配慮なんだろうけど、男湯は「無香料ルシード」なんだよなー。無香料のシャンプーとか、本当に嫌いなんだよね。もう、すげーイヤ。女湯は私の大好きなポーラの「アロマエッセ」シリーズらしかったのに。香りでリラックスする面もあるんだけどね。全部アロマエッセにしろとは言わないけどさ、いくつかの選択肢を持たせて欲しいもんだ。それ以外については、タオルも自由に使えるし、おおよそ揃っている方だと言えるだろう。
休憩処は、さすがに広い。子ども入室禁止のところ…なんてのも含めて、いくつかのスペースに分けられて、リクライニングチェアの数も非常に多い。椅子については、限りなくフルフラットに近いところまでリクライニングは可能。やや堅いかなぁ…と思わなくもないが、許容範囲。4階のヒーリングルームというところには、DVD再生機能つきのリクライニングもあって有料で借りてもいいし、持ち込みも可能らしい。これは、なかなか充実した設備と言えるかもしれない。女性専用のスペースも124席あって、とりあえず女性一人でも安心して使える方だろう。
ただ、オープンして数年しか経っていないのに、テレビには故障が多くて、ボタンが壊れていたり、映像の方が変なことになっていたり。空いていれば、別の椅子に移ればいいだけなんだろうけど混んでいたら、そうもいかないだろうしね。
食事処については、まぁ、この類の施設の食事処の範疇(^_^;)。それ以上でも、以下でもない感じ。少なくとも何品か頼んだ中に「これはイケる!」というものは、特に無かった。別に不味いという訳ではなく、全般的に無難な感じ。普通に食べたいものを食べ、ビールをグビグビとやるのが良いかもしれない。
最後は、なんと言っても、この施設、最大のウリである足湯だ。まさに360度のパノラマで、目の前の巨大な観覧車、ランドマークタワー、クイーンズアット、ベイブリッジに至るまで、全て見ることが出来る。寒い日は、下にパーカーがあり、それを着て外に出る。ウリなだけあって、出入りも多く、やはり人気は観覧車側。そのため、観覧車側は座る場所が非常に濡れていることが多い(^_^;)。湯から上がる時に、どうしても濡らしちゃうんだよね。だから、タオルを多めに持ち込んで何重かにして、座るといいだろう。
夕方過ぎに、みなとみらい観光の仕上げとして来るのは悪くないと思う。この周辺だと、ディナーに、ちと洒落た店に入れば入場料分くらいは簡単に飛ぶ。そういう面では割安とも言える無難な食事をいただきながら(^_^;)、長い時間リラックスして夜景を楽しめるというのはポイントが高い…かもしれない。夜景を長いこと、ただボーッと眺められる場所って、思っているより少ないんだよね。周辺ホテルとかに泊まらないと。そんな訳で評価の方は…
★・★・☆(二つ星)
…ということで。その巨大さを除けば全般的に無難な施設だと思う。夜景に価値をどれくらい置くのか…という部分によって、プラスマイナスはあると思う。純粋に温泉施設を楽しむなら、ここじゃないことは確か。でも、みなとみらい…という観光スポットの中での、この施設の役割は決して低くないとも思う。御台場と違って、中途半端に集約されているので、歩けちゃうんだよね。みなとみらいのエリア内って。だから、余計に脚とか疲れちゃったりするので、そーゆー意味でも施設の役割は高いかな。